先斗町、というと京都でも有名な場所の一つである。

老舗が多く立ち並び敷居が高いイメージだが、最近は気負わず楽しめるお店も多い。
何よりも夜、赤く柔らかい光が灯った提灯と町屋、そして石畳は如何にも「京都らしい」イメージがあり外国人観光客にも人気だ。

食事が終わってもうちょっと飲みたい…でも先斗町のバーといっても、どこに行ったらよいだろう?

そんな方にオススメしたいのが、17番路地を入っていったところにある「SHOT BAR あちゃこちゃ」だ。

私が京都に行く目的の一つであり、私が京都を紹介するにはまずここからでなくてはなるまい。

このBarとの出会いは本当に偶然だった。

近年、木屋町側は客引きなどが激しく、風俗店も混在している。
良いお店や入りやすいお店もあるが、正直客引きは結構強引だ。
その日、食事の後もう一杯飲める場所を探して歩いていたのだが、あまりの客引きの強引さに辟易してちょっと路地に入ったところ、偶然見つけたお店であった。

「いらっしゃいませ」と響く上品なマスターの声。
先斗町と木屋町に挟まれながら、騒がしくなく居心地の良い空気が流れている。
ああ、ここならゆったりと飲めそう、と入ったのが出会いだった。

「人との出会いを大切にしたい」。

そう語るのはもうじき70歳になるマスターの森本博史さん。
このマスターのトークがとにかく軽快で面白い。
京都生まれ京都育ちでありながらノリツッコミも絶妙に織り交ぜてくる。ほわっとした笑顔で、ついつい引き込まれてしまう。

とはいえ「あまり話さずに飲みたい…」という方も構えないで欲しい。
30年以上バーテンダーをしてきたマスターは、きちんと“居心地”を作ってくれるのだ。
話したい人とは話を。しっとり飲みたい人は静かな時間を提供してくれる。

旅を楽しんだ一日、こんな心地よさで一日を締めたい。

そう思わせてくれる素敵な場所なのである。

また、この店は京大生を始めとした学生も多い。
カクテルの名前を知らなくても、甘酸っぱい物、さっぱりしたもの、辛口…などどんなものが飲みたいかを伝えるとマスターが客に合わせてオススメを作ってくれる。
『Bar』を経験したい若い人にもオススメしたいお店だ。

長年の常連さんも多いこのお店は、京都の老舗の主人や文化人なども通う。
普段なかなか会う機会のない方々とも、Barならではの距離感で生まれる会話が面白いのだ。
生粋の京都生まれ京都育ちの方々の話は、雑誌やTVでは知ることのできない京都の一面も見せてくれる。京都を『知る』楽しみがここにある。

テーブルチャージは1000円、お酒はボトルにかかっている数字のお値段(「14」なら1400円)といった具合だ。チャージ料の中にはフルーツの盛り合わせなどちょっとしたおつまみもついている。

ちなみに木屋町方面から入る場合は「たこ入道」の看板が目印。

京都で過ごした一日の終わりに、「ああ、今日はいい日だったな」と感じる余韻。あなたもぜひ浸ってみて欲しい。

SHOT BAR あちゃこちゃ

住所京都府京都市中京区下樵木町204-6 2F
案内先斗町17番路地、または木屋町「たこ入道」看板路地
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Thursday, Nov 21, 2019
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