投稿日 2019-12-30 最終更新日 2024-03-01
「あべ食堂」さんは後継者不足で2021年8月31日に惜しまれつつ閉店されました。60年余り営業されていたとのこと。長きにわたりお疲れ様でした。
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喜多方、といえば「喜多方ラーメン!」
喜多方、と耳にするとすぐに「喜多方ラーメン!」と思い浮かぶ人は多いだろう。
早朝からラーメンを嗜む“朝ラー”もできる会津喜多方は、醤油ラーメン好きにとって一大聖地といっても過言ではない。
何といってもすごいのはその店舗数。喜多方市内のラーメン店が集まり作った団体「喜多方老麺会」によると市内の店舗数は約100軒あるそう。観光客に配布される老麺会のマップには40軒のお店が掲載されている。
令和元年11月1日現在の喜多方市の人口は46,528人。令和元年12月1日現在の福島県の推計人口は1,841,586人。
タウンページ掲載のラーメン店舗数統計を取られたというこちらのサイトによると、福島県内のラーメン店舗数は731軒。10万人辺り38.84軒なので、喜多方市の100軒が如何に多いかがわかる。
では、なぜラーメンの街になったのか?
歴史は大正から昭和初期にさかのぼる。
当時、市内にはラーメン店はなく中国から渡ってきた一人の青年が屋台を引いてラーメン(支那そば)を売り歩いたことが元祖だと言われている。
そこから100軒超えになったのは何故だろう?
その原点は「蔵のまち喜多方」にあると言えます。古く昔から醤油、味噌、清酒の醸造業が盛んに行われており、醸造蔵が多く使われていました。
蔵を撮る写真家が県内各地で行った写真展により「蔵のまち」としての知名度があがり、蔵の写真をとるための観光客が喜多方ラーメンを有名にした最初要因だったのです。
蔵のまち喜多方 老麺会http://www.ramenkai.com/about/
なんとなんと、観光が人を呼び、観光客がくるからとラーメン店ができ、それがまた人を呼ぶとは…!素晴らしい循環ですね。
頑固な味を守り続ける。あべ食堂
100軒を超えるラーメン屋さんの中で特にイチオシなのは、すっかりリピーターになってしまった『あべ食堂』だ。
老麺会のホームページ上では頑固な味と評されている。『あべ食堂』は、喜多方市役所の少し北に位置する食堂風の小さなラーメン屋だ。
麺・スープにこだわり続ける”変わらぬ味”。
故の”頑固”だが、入り口を開けると大変やわらかく元気なお母さんたちが出迎えてくれる。入りやすく、居心地の良いお店である。
ラーメンを待つ間に訪れる人々とお母さんたちの会話を聞いていると、多くの地元の方も訪れているようだ。
地元民が通うお店は美味しいのである。
何杯でもいけるコクのあるあっさりスープと、とろけるチャーシューのたまらなさ!
喜多方ラーメンの麺は「平打ち熟成多加水麺」と呼ばれる太麺。一般的には幅約4mmで水分をたっぷり含んでいる。モチモチとした食感と、ツルッと入っていく喉ごしが気持ちいい。味は醤油が多いが、塩~塩と醤油の中間の味など幅広いらしい。
『あべ食堂』のラーメンスープはとんこつと煮干しの出汁で作られているそうだ。
すっきりとした醤油スープに、少し浮いた脂が食欲をそそられる。薄めのチャーシューにねぎ。ラーメンの王道、というビジュアルだ。
なんといってもスープが美味い。すっきりと飲みやすく、ほどよい脂がコクだしている。あっさりだけど、飽きない。
私自身が太麺の方が好みなのもあるが、麺はモチモチ、スープに絡みすぎない水分具合。夢中ですすってしまう。
喜多方には酒蔵も多い。つまり水が良い。
飯豊山の伏流水で打たれた麺、作られた醤油、そしてスープ。飯豊山の恵みが体中に染み渡る。
そしてこれまた店の味・印象を決めるのが、チャーシュー。厚ければ良いというものでもなく、脂っぽすぎると苦手になってしまうのだが、脂のとろけ具合とその絶妙な薄さがやみつきになる。
中華そばでは足りない…がっつりチャーシューでいこう
『あべ食堂』をリピートするようになってからは「もっとチャーシューが食べたい!」という願いを叶えてくれるチャーシューメン一択である。
中華そばの約2倍、蓋のようにのったチャーシューに思わず喉が鳴る。ペロリである。
喜多方には酒蔵はもちろん、老舗のお菓子屋『田原屋菓子店』、国の重要文化財に指定されている熊野神社 長床(くまのじんじゃ ながとこ)、味噌醤油店の若喜商店のレンガ蔵、当時の職人が精微を極めた建築技術と絢爛豪華な内装を見学できる旧甲斐家蔵住宅、三宝院願成寺の会津大仏阿弥陀三尊などみどころたくさん!
ラーメンを食べ、ぷらりとまわってみてください。
こんな人にオススメ!
あべ食堂
住所 | 喜多方市緑町4506 |
電話 | 0241-22-2004 |
営業時間 | AM7:30~PM2:00 スープなくなり次第終了 |
定休日 | 水曜日、他月1回、火曜定休あり |
アクセス | 交通JR喜多方駅から徒歩17分 車で5分営駐車場あり(10台) |
ホームページ | http://www.ramenkai.com/list/detail.php?i=15 |
蔵のまち喜多方 老麺会 | http://www.ramenkai.com/ |
訪問日 2015/12 他
※価格は2019年8月時点のもの
朝日屋食品で懐かしの「あべ食堂」の味をお土産に(※2024/1/2追記)
さて惜しまれつつ閉店した「あべ食堂」ですが、現在その味を、再び味わうことができちゃいます。
復刻したお土産が登場~!!!
これを見つけた時の喜びといったらありません…!
大和川酒造さんの近くにある製麺会社、朝日屋食品さんで販売されています。
もう「これこれ、これだよ~!」と感激です…!再びこの味を味わうことができるなんて…!
また、喜多方市内の各ラーメン店もかなり揃っており、お土産や家庭用に持ち帰りできるのがとても嬉しいです!
難点としては生麺なので消費期限が割と短いこと。基本5食入りなので、誰かへのお土産でも自分へのお土産でも多すぎると期限が迫るので、消費期限を確認して購入するのをおススメします。
なお福島県内のスーパー、リオンドール喜多方西店でも販売していたことを確認しています(2023年10月)。朝日屋食品さんの営業時間に間に合わない方はリオンドールへ行ってみると良いかも。
有限会社朝日屋食品
住所 | 福島県喜多方市押切南2丁目16−16 |
営業時間 | 月~日 8:00~16:30 |
駐車場 | あり(3台くらい) |
こんな人にオススメ!
あべ食堂ファン、喜多方ラーメン好き