歴史と非日常を存分に体験する、東京駅「東京ステーションホテル」

投稿日 2020-09-05 最終更新日 2021-05-06

東京ステーションホテル。東京駅の赤煉瓦駅舎の中にある、有形登録文化財となっている歴史あるラグジュアリーホテルです。

一度は泊まってみたい憧れのホテルではあるものの、都内在住のため特に泊まる予定もないままでした。

そんな中、コロナ禍のGO TO トラベルキャンペーン東京除外を受け日本ホテル株式会社が「Be Strong, Tokyo! がんばろう トウキョウ!都民限定 トク割プラン」を発表。

正規料金半額に加え5000円分のホテル利用券付きというとんでもなくお得なプラン。
「都外への旅行はまだまだ難しい…でもそろそろどこかに出かけたい…」ということで、一度は泊まってみたかった東京ステーションホテルへ行ってまいりました!

歴史的建造物で、東京を体験

東京ステーションホテルが誕生したのは東京駅開業の1年後、1915年(大正4年)。当時は東京の宿泊施設が極めて少なく、ホテル建設が急務と言われていたそうです。

明治時代に計画されたものの一旦中止となり再び計画が再浮上したのが大正2年。訪日外国人の急増という後押しを受け、1915年11月2日にオープン。

松本清張や川端康成、江戸川乱歩ら文豪にも愛されたホテルです。

2003年国の重要文化財に指定され、2007年から約5年間の保存・復原工事を行い100年前の壮麗な姿に甦りました。
創建当時から残る部分をできる限り保存し『復原』。満を持して、2012年にホテル業が再開されました。

「ふくげん」とは「復元」と「復原」の2通りの漢字があり、日常的には混同して使われていますが、文化財に関する用語では区別をして使われています。オリジナルが全く残っていないものを「元」に戻すことを「復元」、オリジナルの一部が残っているものを「原型」に戻すことを「復原」としており、丸の内駅舎では「原」の字を用いています。

THE TOKYO STATION HOTEL 館内ツアーガイド

2014年には東京駅開業100周年の記念Suicaも発売され、大人気でしたね。あまりの人気に急遽通信販売も行われ、私も購入しました。デザインが素敵です。

以前購入した記念セットです

ホテル内には、その長い歴史を感じられる場所がいくつもあります。
不思議なことに出歩いていても他のお客さんと会うことがあまりないホテル。ゆっくりと散策させていただきました。

朝食会場「アトリウム」にある創建当時の赤煉瓦。
東京ステーションホテルの一室に籠って執筆された、松本清張『点と線』
ドームのレリーフをこの距離で見られるのも宿泊者の特権。

参照:東京ステーションホテルの歴史 https://www.tokyostationhotel.jp/history/

都市の中にある“非日常”

東京駅といえば旅行の際によくお世話になる場所。また、周辺にある各アンテナショップなどへ買い物にも定期的に訪れます。
その度に駅舎を見たくてわざわざ中央口に出たり、夜のライトアップを待ったりしています。

突き抜けるような空の青と駅舎の赤。夜、ライトアップされてからの温かみ。
高層ビルに囲まれながら、皇居まで真っすぐに伸びる開放的な広場。とても美しくて特別で、大好きな景色の一つです。

赤煉瓦駅舎の一部にさりげなくあるホテル入り口へ。小さな入り口なので、ここ、意外と見落とす方が多いのだとか。

小説の世界に入り込んだような美しさ

宿泊フロアに入ると真っすぐな廊下が続きます。
外観のとおり東京ステーションホテルは横に長いホテル。国内のホテルではあまり例を見ない長さではないでしょうか。

まるで小説に登場する海外のホテルや洋館のような、そんな印象です。中央を中心に南北ほぼ同じ造りになっており、宿泊する方と反対のフロアに入ると鏡の中に入ったような錯覚を覚えます。

こちらはお部屋。天井が高く開放的で、大きな窓からは柔らかい光が入ります。気持ちが安らぎます。

行幸通りを真っすぐにのぞむパレスビュー

宿泊したのは皇居に向かう行幸通りを真っすぐに望むパレスビュー。ホテルのほぼ中央に位置するお部屋です。

チェックインの午後から夕暮れ、夜、そして早朝と時間の移り変わりを楽しむことができます。

東京駅前には常に誰かが駅舎を撮影しています。いつもは撮影する側にいる私なので、不思議な気分。

夕暮れ

こちらのパレスビュー客室内には創建当時の赤煉瓦が。客室に赤煉瓦があるのは4室だけだとか。あたたかみを感じます。

ホテル備え付けのメモは原稿用紙風

ゆったりと楽しむ和フレンチ、ブラン・ルージュ

折角宿泊するのならできる限りホテルの中で過ごしたい、と直営のフレンチレストランを予約しました。
フレンチとはいえ駅舎のレストランなのでドレスコードもそこまで堅苦しい感じではありません(現在は事前予約のみ)。

この日のメニューは下記の通り。

【シェフからのはじまりの一品】
キャヴィアと野菜のプティパンケーキ
寺島ナスのムース
対馬産穴子のゼリー寄せ 仁淀川山椒の香り

【三崎より直送 鮮魚の炙りスモーク 季節野菜のコンディメント添え】
【へら蟹のビスク カプチーノ仕立て】
【甘鯛のポワレ ひじきとバルサミコのクーリ】

【黒毛和牛ロース肉のグリエ 本わさび添え】
ジュ・ド・ジャポネ―ズ または セップ茸入り赤ワインソース

【オリジナル一口麺】
【スペシャルデザート】
【コーヒーと小菓子】

日本各地からの食材で織りなされる和テイストのフレンチ。
お野菜やソースはまるで果物のような甘さと瑞々しさで、重くなりすぎず親しみやすさを感じる味わいでした。

ナスのムースが美味しすぎる前菜、フルーツトマトのようなほおずきや、芳醇なビスク

甘鯛のポワレ ひじきとバルサミコのクーリはひじきとバルサミコのソースが懐かしさと親しみを感じる味わいでした。

黒毛和牛ロース肉のグリエはセップ茸入り赤ワインソースで。やわらかくジューシー、セップ茸の香りも美味しいです♪
ワインは2016年のシャブリを。お料理に大変よく合う美味しいワインでした。

久しぶりのフルコース。かなりお腹いっぱいになりました…!

ブラン ルージュ

電話03-5220-0014
営業時間ランチ / 11:30〜15:00(14:00 L.O.)
ディナー / 17:30〜22:00(21:00 L.O.)
ドレスコードスマートカジュアル(男性のショートパンツ、ランニングシャツ、サンダルでのご来店はお控えください)
ホームページhttps://www.tokyostationhotel.jp/restaurants/blancrouge/

ライトアップされた東京駅を望む、KITTE屋上庭園

東京駅のお隣には元中央郵便局だった商業施設“KITTE”があります。この施設の名称由来、切手という意味だったんですね…!