投稿日 2018-02-13 最終更新日 2022-02-05
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『この日この時しかできないことをする』。
それがここ数年の京都旅のモットーだ。
2018年年明け、正月の京都で『初体験』をしてきた。
1月7日といえば七草粥である。
「無病息災を願う」「正月疲れの胃を休ませる」と言われている七草粥。
私は七草粥のシンプルな味が好きで、しかもこの時期しかセットが出回らないので、毎年欠かさず作って食べている。
今年はせっかく京都にいるのだからどこかでいただけるかもしれない、と思い調べてみた。
検索してみると聞きなれない言葉が出てきた。
白馬奏覧神事(はくばそうらんしんじ)、である。http://www.kamigamojinja.jp/event/jan.html
年始に白馬を見ると邪気を祓い1年間健康に過ごせるという白馬節会(あおうまのせちえ)という宮中行事が神事化けしたもの、とある。
なるほど、宮中行事なら東京では馴染みがないかもしれない。
上記は上賀茂神社の神事だが、他にも御香宮神社の七種神事や、貴船神社の若菜神事、石清水八幡宮の七草祭などが出てきた。
今回は宿から一番近く、病気平癒のご利益があるという西院春日神社へ行くことにした。
阪急烏丸線で大阪方面へと向かう電車で二駅。住宅が多い地域の神社という雰囲気で、静かで穏やかだ。
この日は快晴でまだ人はまばら…だったが、既に七草粥の行列には人が。
昨年病気が見つかった私は、特に今年一年平穏無事に過ごせますようにとお参り。
西院春日神社には可愛らしい白馬の飾りが祀られていた。他に執り行われる神社に行ったわけではないので未確認ではあるが、上述の通り宮中行事ということなら京都では白馬と七草の神事はセットのようだ。
こういう光景も都内ではあまり見ないのでちょっと不思議な気分になる。
静かに行われる神事。厳かすぎない“日常の延長”に、新しい年を感じる
そして若菜粥の列に並ぶ。並んでいて直接見ることができなかったのだが、拝殿で火が起こされ、破魔矢や古札が焚き上げられる。
祝詞を聞きパチパチと燃える火を見ると、ああ、年が変わったんだな、という厳かな気持ちになる。
神事が終わり、列が動く。
初穂料をお納めし、若菜粥の接待をいただく。
運ばれてくるお盆を拝見して驚いた。
こんなにしっかりしたものをいただけるのか、と。
病気平癒を願いながらいただく。
静かで心地よい神社で、年中行事一覧を拝見すると地域の人々との結びつきを感じる。
若菜粥も地域の方々がお世話をしてくださっているとのこと。
行事に参加するということはその土地の人が大切にしていることを知るということ。
西院春日神社の方々や地域の方が大切にしている行事の一つに一緒に参加させていただけたこと、京都の人々は1月7日をこんな風に過ごしているのだなと知ることができたことを嬉しく思う。
あなたも観光地としての側面だけでなく、日本の日常の中の行事をのぞいてみてはいかがだろうか。それもまた『日常の中の非日常』である。
もちろんその行事、場所や人々への敬意はどうぞ忘れずに。
西院春日神社
アクセス | 阪急電車・京福電車 西院下車 徒歩約3分 市バス 西大路四条下車 徒歩約3分 |
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ホームページ | http://www.kasuga.or.jp/ |
ちなみにこちらは和菓子屋仙太郎の七草饅頭。生地に七草が練り込まれているとのことだ。こちらのお店は餡が大変美味しくオススメである。