紀州和歌山・徳川吉宗公の故郷を巡る~其の弐~

投稿日 2023-06-08 最終更新日 2023-11-06

『サマータイムレンダ』聖地巡礼のため初めて訪れた和歌山。聖地巡礼のほかに、徳川家八代将軍吉宗公ゆかりの地を巡ることも目的でした。今回は紀州徳川巡り其の弐を書いていきます(其の壱はこちら / サマレン聖地巡礼記事はこちら)。

滞在3日目は気持ちの良い青天!本日の目的地は和歌浦方面。
徳川家康公・徳川頼宣公を御祭神とする紀州東照宮と、紀州徳川家第10代藩主の治寶公が造られ大河ドラマ『吉宗』などでロケ地にも使われた養翠園が目的地です。

和歌山城を望むホテルと紀州梅干しでパワーチャージ!

初の和歌山旅の宿は、和歌山城前にあるダイワロイネットホテル和歌山にお世話になりました。

理由は勿論「目の前に和歌山城があるから!」

朝起きても和歌山城、夜月明かりやライトアップで輝く和歌山城、青空や雨の和歌山城、ホテル出たら和歌山城。たまりません。

朝食会場からの和歌山城と部屋からの早朝の眺め

ちなみにダイワロイネットホテル和歌山の朝食では、なんと紀州の梅干し食べ比べができます!
これは嬉しい…!定番から珍しい梅干しまで、お土産にしたい梅候補も探せてしまいます。

焼きたてオムレツも美味しゅうございました…!

ダイワロイネットホテル和歌山

ホームページhttps://www.daiwaroynet.jp/wakayama/

五百羅漢寺と近代建築朝間邸

和歌山市駅始発のバスに乗り和歌浦方面へ出発。しかし日曜日だからか、目標とする時間&滞在時間を考慮してルート検索すると紀州東照宮まで「秋葉山停留所より徒歩で行け」と出てきます。

「絶対その先の和歌浦口とか和歌浦とかの方が近くない…?」と思いつつ「まあ秋葉山停留所から徒歩12分なら大した距離ではないだろう歩けばいっか」とこれまたざっくりとした認識の元バスに揺られゆく私。

「最初から運転手さんに聞けば良かったじゃん!」となるのは降りてからでしたが、しかし!

こちらも徳川ゆかりの場所

秋葉山停留所を降りてすぐ「五百羅漢寺はこちら」の案内が。矢印のある路地をのぞいてみると年月を感じる古い山門がありました。
ふらふらと吸い寄せられると、干支と一緒にいる可愛らしいお地蔵さまが並んでいます。

実はここも徳川ゆかりのお寺。紀州徳川八代藩主、重倫(しげのり)公の祈祷寺として明和元年(1764年)に建立されたそう。

さすが和歌山、道を歩けば徳川にあたる…。

本堂に入れる雰囲気ではなかったのでお地蔵様を見てお参りし退場いたしましたが、色々検索してみると本堂に上がれる機会もタイミングによってはある様子。
写真で見る本堂内の五百羅漢は圧巻です。長い年月も感じます。一度拝見してみたいですね。

近代建築の朝間邸

五百羅漢寺を後にし少し歩くと近代建築の建物を見つけました。三角形の屋根付きの特徴的な窓。上記写真左下にある朝間邸です。

染糸業で財を成した中原嘉吉氏の本宅で昭和3年に完成。昭和30年から現在の所有者である朝間氏の邸宅に。なんと文化財等ではない私邸だそうです。

2階部の外壁の仕上げは那智黒石で1階部分はタイル貼でありこの建物の特徴の一つである材料の選定の美しさが挙げられる。これらどうように建物を囲っている塀の材料は、かつて和歌浦近辺の海岸でよく採取された緑泥片岩が使用されている。これらの石はサイズの似た物を丁寧に壁に埋込むように設置されている。

和歌山県建築士会

サイズの似た石を丁寧に埋め込む…!途方もない壁です。

<和歌山県建築士会のページ> 朝間邸について ※邸宅内部の写真も掲載されています

いま現在も住居として使用されており内部の見学はできないようですが、ぱっと見で目を惹く素敵な館。なるべく長く残っていただけると嬉しいですね。

五百羅漢寺

和歌山市のページhttp://www.city.wakayama.wakayama.jp/kankou/commissionfilm/1003288/1003294.html
住所和歌山市和歌浦東1-1-6

和歌浦を望む美しい景色、紀州東照宮

“徳川巡り”の和歌浦方面の目的地とした『紀州東照宮』。初代紀州藩主である徳川頼宣(よりのぶ)公が徳川家康公をまつる社として元和7年(1621年)に建立したもの。

その豪華な社殿は日光東照宮になぞらえて「関西の日光」と呼ばれているとか。

鮮やかな朱塗りの楼門、そして緻密で美しい極彩色の絵が描かれています。

拝観料は楼門をくぐる時にお支払い。
本殿は別途料金がかかりますが、なるほど東照宮、という美しい彫刻や壁画を見学することができます。

本殿の中も本っ当に美しく、夏の盛りに鳴くセミも少し遠くに聞こえて別の世界にいるような、荘厳な空間でした。

海、空、森、朱塗りの門。本当に美しいです。

こちらも『サマータイムレンダ』の聖地かも?

頭が完全に徳川巡りに切り替わっていたのでまったく意識していなかったのですが、階段の雰囲気などから「ここも『サマータイムレンダ』の聖地のひとつでは?」とフォロワーさんと話題に。

後から写真を眺めると、確かに真っすぐ伸びる階段と周囲の森が日都神社への参道のよう(安産祈願の幟も、ヒルコ様を連想できますね)。参考にされているのかもしれませんね。

ところで秋葉山の五百羅漢寺から炎天下の中だいぶ歩き、更に境内から階段まで少し距離があり、そして真っすぐ伸びる108段の階段を目にした時のわたし「ひいい…今日も登山!」状態。

でも、登った甲斐ありました!

朱塗りの楼門からの和歌浦の海の風景は、登った人だけが見ることができる贅沢なご馳走。

さすが和歌に詠われる場所です。足腰が健康なうちに、一度ぜひ。

※正面の侍坂と呼ばれる階段は写真から想像するより急で振り向くとかなり怖い状態ですので、足が不安な方は左方面にユルイ坂がありますのでそちらをご利用ください。

紀州東照宮

ホームページhttp://kishutoshogu.org/
住所和歌山県和歌山市和歌浦西2-1-20
アクセス和歌山バス「権現前」下車すぐ
拝観料大人300円 / 小中高生100円(本殿別途)
拝観時間9:00~17:00 / 無休

養翠園はおあずけ…!

紀州東照宮の次は『サマータイムレンダ』の聖地のひとつ、田の浦中道へ向かい、そこから更に養翠園(ようすいえん)にも行く予定でした。

「養翠園」は紀州徳川家第十代藩主 徳川治寶(はるとみ)公が文政元年(1818年)より8年ほどかけて造営した大名庭園。大河ドラマ『吉宗』などのロケ地としても使用されています。

しかしその時間帯に直接行けるバスのルートがなく、歩くと30分近く。養翠園から市駅方面へのバスも少なく。
大変美しい庭園であることは写真からも想像できたのですが、庭園故に恐らく日陰も少ないであろうこと、炎天下すぎて既に熱中症のリスクがあり帰りの時間も決まっているため断念。
市駅方面へ戻ります。

養翠園

ホームページhttps://yosuien.com/
住所和歌山県和歌山市西浜1164
営業時間通年9:00~17:00(※1/1のみ11:00~17:00)
アクセス<車>
阪和自動車道和歌山ICから20分 / 駐車場有
<電車・バス>
JR和歌山駅より雑賀崎方面行き30系統「養翠園前」で下車、徒歩約7分
入園料中学生以上600円 / 小学生以下300円
養翠園入園者は湊御殿の観覧が無料(レシート提示)
そのほか養翠亭は私亭のため原則不可」。ただし茶道同好の士や学問の為の場合は事前予約申し込み可とのこと。詳細はホームページから。

民間ロケット・カイロス応援看板とグリーンコーナー

市街地の方へ戻り和歌山最後の食事を取ろうとグリーンコーナーへ。和歌山城近くまで戻り徒歩で行けそうな築地橋店へ向かいます(やはり日曜日なのでバスが良い時間になくまあまあ歩きました)。

グリーンコーナーのことはサマレン聖地巡礼記事の方でも書いておりますが、改めて。

ソウルフードが食べられるグリーンコーナー

ミーハーに乗るべきところは乗る、ケンミンショーで見て一度食べて見たかった和歌山市民のソウルフード「てんかけラーメン」

「てんかけラーメン」はてんかすが入ったラーメンで、紅ショウガやワカメが入っていてすごくあっさり、おやつ感覚で食べられます。中華というより和風のさっぱり感を感じられるような、ここでしか食べられない味でした。

そして何より、このためにまた来たい!となったのがグリーンソフト(やわらかいの)

和歌山市駅でもワッフルコーンのちょっとお高めのが食べられるのですが、やはり市民の方が親しまれている普通コーンの方をいただきたく。とんでもなくたっぷりと搾られていきます。

抹茶の味が濃すぎず、さっぱりと駆け巡る爽快感。

ほんっっっとに美味しい、美味しすぎる!

あまりにも美味しすぎて忘れられない味です。そしてどうやら店舗によってはほうじ茶味のやわらかいソフトも食べられるとのこと。お茶屋さんの本気のソフトクリーム…また絶対食べたいです…!

グリーンコーナー築地橋店

住所和歌山県和歌山市一番丁3
営業11:00~22:00
ホームページhttp://gyokurin-en.co.jp/new/

グリーンコーナーと和歌山城間を往復でまあまあ歩きましたが、そのおかげで素敵な発見が。

和歌山県庁前、青いポストと串本町から打ち上げられる予定の民間ロケット・カイロスの応援看板です。

鮮やかな空色の珍しいポスト

フォロワーさんになぜここのポストが青いのか教えて頂きました!

県文前のポストはなぜ青い?(ニュース和歌山 / 2019.10.19)

記事によると1990年に大阪であった花博の会場に設置されていたもので、空をイメージさせる青い色に。会期終了後新たな活躍場所を募集したところ手を挙げたうちの一つが和歌山中央郵便局で、91年から設置されたとのこと。

記事の写真から塗り直されていて、かわいらしいですね。

和歌山県串本町から民間ロケットが宇宙へ!

「スペースポート紀伊」から打ち上がる予定のロケット・カイロス。2023年6月現在部品調達困難のため2023年は打ち上げを断念し2024年以降打ち上げ予定となっています。

宇宙好きでもある私、日本の民間宇宙事業もここまできてるのか…!と感動。続報を待ちたいですね。

ロケットカイロス打ち上げ応援サイト https://wakayama-rocket.com/

和歌山城紅葉渓庭園と御橋廊下

一日目には間に合わなかった紅葉渓庭園(西之丸庭園)と御橋廊下を渡ります。夏は緑が真っ盛り。その名前の通り秋が最も美しそうという庭園でしばしのんびりし、斜めに架かった珍しい御橋廊下を渡ります。

全国的に大変珍しい斜めの橋

庭園から御橋廊下を抜けた先は二之丸。二之丸は藩主が政治を執り行う場所でもあり生活する場所でもあります。表・中奥・大奥がありました。

御橋廊下は藩主とお付きの人だけが西之丸と二之丸を行き来できる橋で、外からは見えないようになっている廊下。この御橋廊下は平成18年(2006年)に復元されたものとのことです。

下の写真は庭園側から撮ったものなのでちょっとわかりにくいですが、外から見ると結構斜めなのがよくわかります。実際に歩いてみるととても足ツボに効く段差でした…笑。

右下の写真は『穴蔵状遺構(あなぐらじょういこう)』というもので、なにか特定の物を収納するための施設であったと考えられているそう。明暦元年(1655年)の火災以降入口が埋め立てられており、御橋廊下の架かっていた時期には使われていなかったと思われているとのこと。江戸城大奥付近にも似たような石室があったらしく、非常時大奥の調度品などを収納していたのかもしれません。
今もなおわかっていないもの…歴史のロマンです。

御橋廊下から見える和歌山城も大変趣がありました。お天気が良いのでそれぞれの色が映えて本当に美しい。

名勝 紅葉渓庭園(和歌山城敷地内)

ホームページhttp://wakayamajo.jp/index.html
時間9:00~17:00
入園料無料

和歌山の魂を感じる『わかやま歴史館』

最後に和歌山城市役所側にある、1階がおみやげやさんの『わかやま歴史館』へ。

ここでは紀州徳川家の歴史と、和歌山出身の偉人である陸奥宗光さんや南方熊楠先生、松下幸之助さんらを紹介する展示室があります。

また、訪れると恐らくスタッフさんに「ぜひ!」ともれなくオススメされると思いますが、シアタールームは必見。その映像「よみがえる和歌山」では徳川頼信公による和歌山城の紹介や和歌山大空襲を経て復興した和歌山城の話を見ることができます。

和歌山城が和歌山市に住む人々の魂そのものであることを感じることができます。

吉宗公の書状、紀州徳川藩の葵の御紋、金印、復元された養翠園の茶室などなど…やはりとんでもない史料の展示が。す、すごい…!

吉宗公の書状や刀などは思わず拝んでしまいそう。

そして近現代に活躍した和歌山の偉人、陸奥宗光、南方熊楠、川端龍子、松下幸之助、有吉佐和子の足跡も。貴重な史料・資料や写真の数々。ここは幕末明治の近代史好きは絶対行くべきポイントです。

お土産をいくつか買い込み『じゃばらウォーター』で一休み(知らない・珍しいものがあったら即試すタイプです)。非常にスッキリさっぱりとした美味しさで汗をかいた体に染み渡りました。

ところで『じゃばら』って聞いたことないなー…と思ってたんですが、なんと北山村にだけ自生する幻の果実なのだとか!詳しくは以下からぜひ。

北山村観光サイト「じゃばらって?」 https://www.vill.kitayama.wakayama.jp/kanko/jabara/

わかやま歴史館1階ではお土産物も色々購入できます★

わかやま歴史館(和歌山城敷地内)

ホームページ(和歌山城)http://wakayamajo.jp/tenji/index.html
入館料大人(高校生含む)100円 / 小人(小・中学生)無料
※和歌山城天守閣との共通入場券有
開館時間9:00〜17:30(入場は17:00まで)
その他1F 和歌山市観光土産品センター / 和歌山市観光案内所ともに
<3~11月> 9:00〜18:00 / <12~3月> 9:00〜17:00

美しい空の数々

季節柄一番心配していたのは台風だったのですが、2・3日目は晴れ、養翠園以外は目的地を全て巡ることができました。

和歌山市の早朝、帰りの飛行機から見る空でこの記事はお別れ。

初めての和歌山旅はこれにて終了。更新間隔がだいぶ空いてしまいましたが、長きに渡りお付き合いいただきありがとうございました。

じゃらん調査で2022年度総合満足度1位に輝いた和歌山県、そしてサマータイムレンダ聖地巡礼。訪れる場所、美味しいものたち、人の優しさ。本当に心からたっぷり楽しむことができました!

まだまだ盛り上がりそうな和歌山県、遠くないうちにまた再訪したいと思います。

<徳川巡り其の壱はこちら> 紀州和歌山・徳川吉宗公の故郷を巡る~其の壱~

<友ヶ島はこちら> サマータイムレンダ聖地巡礼~神秘の無人島・友ヶ島~
<加太散策はこちら> サマータイムレンダ聖地巡礼~加太のまち散策~
<和歌山市街と田の浦中道はこちら> サマータイムレンダ聖地巡礼~和歌山市街と田の浦中道~

こんな人にオススメ!

徳川ファン、史跡ファン

訪問日 2022/9/10~12


(2023.6.8追記)青いポストについて追記