サマータイムレンダ聖地巡礼~加太のまち散策~

投稿日 2022-09-20 最終更新日 2023-11-06

熱くて素敵な、和歌山が舞台の作品『サマータイムレンダ』聖地巡礼旅。前回の友ヶ島に続き、今回は日都ヶ島の街並みの一部である加太の街の散策とサマレンスポットを巡ります。

南海電鉄加太さかな線「めでたい電車『かい』」でいざ加太へ!

加太さかな線(正式名称:南海電鉄加太線)という路線名からして可愛い和歌山市駅-加太駅を結ぶ線。

サマレン本編の加太フォトレポート回(単行本には未掲載)、アニメでの描写、小舟姉妹を演じている声優・永瀬さん白砂さんによる和歌山観光パンフレットで『めでたいでんしゃ』は知っていたものの「タイミング良く乗れたらラッキー」くらいの気持ちでした。

「さあ友ヶ島に行くぞー!」と和歌山市駅に到着し電車を待っていると…ホームに水色の車両が!

まさに観光列車『めでたいでんしゃ』の「かい」が入線です。

なんという幸先の良さ!

海の中をイメージした遊び心いっぱいの「かい」は“開運”の願いを込めた列車とのこと。
人がこないうちに~!と車内をあちこち激写しまくります。

あしらいが色々かわいい。

海の生き物の形をした手すりやヒラヒラしている魚や海藻がいい!あちこちにあるブルー&水色の配色が爽やかです。
朝の気持ち良い陽射しが差し込むなか、出発進行。加太駅まで40分ほどガタゴト揺られて行きます。

今回の最大目的は友ヶ島。ばっっっちり聖地巡礼を堪能した友ヶ島はこちらの記事で。

サマータイムレンダ聖地巡礼~神秘の無人島・友ヶ島~

13時半友ヶ島発に乗り、14時前に加太に戻ってきました。たっぷり4時間歩いた体はお腹ペコペコ!

『ゑびすや』で地元の美味しい魚をいただく

加太は漁港や釣り場があり「真鯛の一本釣り」が有名。『加太さかな線』と『めでたいでんしゃ』と魚推し、その中でも鯛は絶対食べなくては!なひとつ。
友ヶ島を散策後はここだ!と決めたのが友ヶ島汽船乗り場すぐの『ゑびすや』さん。

注文してから調理ということで少し待ちますがお店の雰囲気もとっても良く、楽しみにのんびりと待ちます。

疲れた体にエネルギー補給。

注文したのは漬け丼。海鮮丼ととても迷いましたが「生姜がきいている」ということで汗をかいた体にぴったり。鯛やタコがごろごろで海苔の香りがとてもいい!隠れてしまっていますが香の物もついています。
新鮮な魚の弾力を感じながらとっても美味しくいただきました。

軽食ゑびすや

住所〒640-0103 和歌山県和歌山市加太211
ホームページhttps://casual-japanese-style-restaurant-545.business.site/
営業日時水曜定休、11時開店(日によって閉店時間変動アリの様子)

マスク着用、検温消毒、アクリル板の仕切り有

レトロかわいい古民家でゆったり、オジバ商店

友ヶ島散策後なのでとにかく疲労回復を優先(笑)。お昼の後はおやつを食べにオジバ商店へ。永瀬さんと白砂さんがパンフレット内で訪れていたお店です。

30年空き家だった古民家を活用し、シェアショップとしてランチ、レトロ雑貨、レンタルきもの、喫茶など色んなお店が週末だけ開店。お店のモットーは干渉せずゆっくりしてもらうこと。

田舎の祖父母の家に来たような懐かしい雰囲気。カフェ「名前のない喫茶室」利用で奥の広いお部屋に通していただきました。

席を自由に選べるということで、本が置いてあるなんとなく南雲先生が好きそうなお席へ。

檸檬スカッシュとプリンを注文。

可愛い&渋いレトロに囲まれるひととき。

檸檬シャーベットがのっているスカッシュの酸っぱさが疲れた体に染み渡ります。固めプリンも嬉しい。

のんびりゆったりとした「休日!」という時間を過ごしました。

オジバ商店

住所〒640-0103 和歌山県和歌山市加太249
営業週末土日11時~17時
ホームページhttps://www.instagram.com/otakasan77/

マスク着用、入店時消毒

コバマートなど、サマレンの世界に浸る

さて!疲れが癒されたところでいよいよ『サマータイムレンダ』ポイントがたくさんある加太の街並みを散策します。

※記事の順番は廻った時系列ではありません。このページで紹介している加太の聖地巡礼順としては、友ヶ島汽船下船→(お昼・ゑびすや&オジバ商店)→淡嶋神社→小嶋一商店・Y字路→堤川沿い→キシモト商店→加太観光協会案内所→加太駅でした。

まずはこちら、コバマートこと小嶋一商店さん。

小早川家が住むコバマート。

まさにそのまま!

…なんですが、よもぎ餅が売り切れていたためお店の方との会話のとっかかりを掴めず外観だけささっと撮らせていただくということに…(発揮できなかったコミュ力)。

検索すると濃い緑で柔らかそうで美味しそうですよね小嶋一商店さんのよもぎ餅。

加太の山林で摘んだ天然よもぎで毎日もち米を蒸して作っている贅沢品。

小嶋一商店を紹介しているサイトによっては「8時半から買える」ともあるので、朝汽船乗り場に向かう前か帰ってきてすぐにお昼の前に確認に来るべきでした。朝は真っすぐに乗り場を目指してしまったので…次こそ!

ちなみによもぎ餅を販売している他のお店も早くに完売の様子でした。各お店の色味が全然違うので食べ比べも楽しそうです。

小嶋一商店

住所和歌山県和歌山市加太425
営業不定休。Googleによれば大体9:30~17:00頃、8:30からという情報も有

次は慎平と澪が初めて根津さんと会ったあと、根津さんが去っていくY字路です。

車が停まっている時もあります。

こちらもそのまま!

小嶋一商店とオジバ商店のすぐ近く。サマレンポスターも貼ってありました。

そして慎平と澪が雨宿りしたキシモト商店近辺。

そのまま!すごい!

このキシモト商店さん、あげパンとサーターアンダギーが超有名なのだとか。

朝汽船乗り場に向かう時もこの道を通ったのですが、朝早くから揚げてらっしゃったんですよね…!
ただやはり帰りにはもう完売していたようで買えず…。

よもぎ餅といい、次の友ヶ島は加太に前泊して加太の美味しいものを堪能するべき!と強く思いました。

キシモト商店

住所和歌山県和歌山市加太1341
営業9:30〜17:00 売切れしだい閉店 / 月曜定休(休祝日営業)
ホームページhttps://www.instagram.com/kishimoto_bakery/?hl=ja

小嶋一商店からキシモト商店へ向かっていく途中には「ここもソックリ!」な堤川沿いの道があります。

角度はちょっと違いますが、アニメを見た方ならすぐわかる風景。煉瓦造りの旧丸治醤油レンガ倉庫がポイントです。

慎平や窓が歩いた道。

すごい、サマレンの世界や…!

加太の街いろいろ。

ゑびすやさんあたりから淡嶋神社へ向かう途中のエリアには特徴的な提灯も。自治会が違うのでしょうか。

人形供養の淡嶋神社

こちらの神社の特徴はなんといっても人形供養。境内には人形がジャンルごとに綺麗に並べられ、参拝者を迎えてくれます。御祭神は医薬の神様である少彦名命(すくなひこなのみこと)です。

恋愛成就や子授けなど女性の守り神としても有名なのだとか。

写真で紹介する人形は少ないですが、各所ぎっちり並べられた人形たちはユーモアなものから怖いもの「人形…?」というものまで思わずじっと見入ってしまいます。
上様っぽい人形は流石和歌山(笑)。

魚の街にふさわしいネコさん。友ヶ島も見えます。

※ここからはサマレンに関する個人の解釈です。最終回までのネタバレに触れるところがあるのでご注意ください。解釈を飛ばして次の加太駅に行く場合はここをクリック

日都神社の外観的なモデルではないようですが、淡嶋神社の起こりを読むと

その昔、神功皇后が三韓出兵からお帰りの際、瀬戸の海上で激しい嵐に出会いました。沈みそうになる船の中で神に祈りを捧げると、お告げがありました。
「船の苫(とま)を海に投げ、その流れのままに船を進めよ。」
その通りに船を進めると、ひとつの島にたどり着く事が出来ました。その島が、友ヶ島です。
その島には、少彦名命と大己貴命が祭られていて、皇后さまは助けてくれたお礼の気持ちを込めて、持ち帰ってきた宝物をお供えになりました。

その後、何年か経ち、神功皇后の孫にあたられる仁徳天皇が友ヶ島に狩りに来られ、いきさつをお聞きになりました。そこで、島では何かとご不自由であろうと、お社を対岸の加太に移され、ご社殿をお建てになったのが、加太淡嶋神社の起こりとされています。

淡嶋神社 http://www.kada.jp/awashima/origin/index.html

日都ヶ島のモデル友ヶ島ととても深い縁がありますね…。

また御祭神の少彦名命(すくなひこなのみこと)は医薬の神様。医薬・神社という点で雁切家と菱形家の起こりを思い浮かべます。

神話の話なので「少彦名命」については『正しいソースとは…?』と考え込んでしまうので、どの解釈がサマレンファンとしてしっくりくるかなと検索し、ここ!と思ったサイトの引用でご紹介。

少彦名命とは

海の彼方にある常世の国から光り輝きながら渡って来た小人神です。一寸法師などの「小さ子(ちいさこ)」のルーツとされています。豊かな知識や技術も備え、腕力ではなく持ち前の知識力で様々な困難を見事に克服していく姿に人気があります。神徳は医薬・酒・温泉などに関わることから、万民の病難を救う霊力が中心です。

日本の神様と神社 https://xn--u9ju32nb2az79btea.asia/shinto14/shrine83.html

【解釈①】「海の彼方にある“常世”から光り輝きながら渡って来た」のが常夜から訪れクジラの姿で辿り着いたヒルコ。「小さ子」は神となった少女のハイネ。神の夫となったシデと共に、医療の真似事をしながら島の人々を一部影にしながら、飢えないよう島民をこんにちまで生きさせた、まさに日都神社の御祭神ヒルコノミコト。

【解釈②】「光り輝きながら渡って来た小人神」は島外から両親とともにやってきた、いずれ影の病を解決に導く幼い勇者=慎平。「豊かな知識や技術も備え、腕力ではなく持ち前の知識力で様々な困難を見事に克服していく」も慎平によく当てはまります。「万民の病難を救う霊力」は物理的な力はもちろん、生まれた影とオカアサンとのリンクを切る力を持っている潮。2人が協力して日都ヶ島を守る・守った。

…などと淡嶋神社と日都神社の御祭神を都合よく解釈してみました(笑)。シデとハイネ、慎平と潮を対比させてるのかな、とか。田中先生のことですからありとあらゆる伝承や神話や地元のお話など組み合わせていらっしゃいそうですね。

なお

様々な仕事をやり終えたスクナヒコナ命は、最後に淡島で粟(あわ)の茎にのぼり、その弾力を利用してはじき飛ばされるようにして常世の国に渡ったという説、あるいは熊野の御崎(みさき)から海を渡り、常世の国に帰った説などあります。

日本の神様と神社 https://xn--u9ju32nb2az79btea.asia/shinto14/shrine83.html

ともあります。はじけ飛ぶ、常世の国に帰る…。

日都ヶ島、影の病の始まりと終わり。
サマータイムレンダの物語の始まりと終わりを、神社の起こりと御祭神から妄想に耽ったのでした。

海を挟んで見える友ヶ島にも想いを馳せます。

淡嶋神社

住所〒640-0103  和歌山県和歌山市加太118
拝観時間9:00~17:00 / 授与所業務時間 宝物殿は10:00~16:00
ホームページhttp://www.kada.jp/awashima/

加太駅も隅々まで見逃せない

加太駅出入口にある「加太観光協会案内所」。
先客と案内所の前に車が停まっていたので狙うアングルでは撮れませんでしたが、こちらもサマレン聖地。澪と朱鷺子が本土の刑事と出会うあの場所です。

また加太の街中には『めでたいでんしゃ』ののぼりがあちこちにあり、そこにキャラクターがくっついているのですが…

根津さん率、めっちゃ高い!?

奥まで拡大していただくと、のぼりが重なってうっすら見える部分も根津さんであることが確認できます。加太の人に大人気の根津さん。“りょうし”だからでしょうか…(ごめんなさいすみまませんなんでもありません)。

加太駅舎自体も、レトロさと可愛さとめでたさを感じる素敵な場所です。

小学生たちの『めでたいでんしゃ さち』の絵や、めでたいでんしゃグッズなどなど。

加太駅

住所〒640-0103 和歌山県和歌山市加太1038−1

普通の街並みが“聖地”になる感動

歴史好きのため史跡めぐりはよく行きますが、アニメ作品を見て「聖地巡礼しよう!」となったのは『サマータイムレンダ』が初めてでした。

現地でも感動したのですが、帰ってきてブログを書くために写真を見ていると

「普通の街」が本当に特別な“聖地”になるんだなあといたく感動いたしました。

そこにアニメで見たそのままの風景があり、キャラクターたちが住む世界に自分も一緒に存在している感じ。こういう幸せな経験を、色んな作品で色んな場所でたくさんの人がされているんですね~。

そこに住んでいる方々が歓迎できるような巡礼をしっかり心がけたいなと思うとともに、本っっ当に物凄く楽しかったのでまたぜひとも和歌山に行きたいなと思いました。

実は加太と和歌山市街を一気に書いたのですが、データ容量が大きすぎたり長文すぎる…となりましたので和歌山市街地の聖地巡礼は次回へ持ち越し。
今度は温泉やよもぎ餅を求め、またゆっくり訪れたいです。加太の皆さん、ありがとうございました!

こんな人にオススメ!

サマータイムレンダファン!

訪問日 2022/9/10(友ヶ島・加太)

2022年9月訪問
<友ヶ島の記事はこちら> サマータイムレンダ聖地巡礼~神秘の無人島・友ヶ島~
<和歌山市街・田の浦中道> サマータイムレンダ聖地巡礼~和歌山市街と田の浦中道~

2023年7月訪問
サマータイムレンダ聖地巡礼2023~慎平のカレーと加太&友ヶ島~

和歌山観光参考
<徳川巡り其の壱はこちら> 紀州和歌山・徳川吉宗公の故郷を巡る~其の壱~
<徳川巡り其の弐はこちら> 紀州和歌山・徳川吉宗公の故郷を巡る~其の弐~