東京・新宿「美濃吉」でいただく夏の恵み、鮎特別懐石。

投稿日 2023-07-29 最終更新日 2023-07-30

夏にだけ食べられるご馳走は色々ありますが、中でも好物なのが鮎と鱧。関東でも近年鱧はスーパーなどで購入できるようになりましたが、鮎は購入自体がなかなか難しいものです。

今回は「鮎が食べたい」ということで毎年6月に鮎特別懐石をやっていらっしゃる『京懐石みのきち』の新宿住友ビル店に行ってまいりました。

鮎尽くしの特別懐石

メニューは以下のとおり。とにかく鮎、鮎、鮎!

前菜 季節の彩り盛り合わせ
お椀 焼鮎丸仕立て椀 冬瓜 はす芋 梅玉 柚子
向付 鮎洗いと本日のお造り
鉢物 京都産賀茂茄子 みたらしあん掛け きざみ葱 生姜
旬菜 長野産天竜鮎塩焼き はじかみ たで酢
揚物 鮎木の芽揚げ 万願寺唐辛子
お食事 土鍋炊き 鮎と新生姜御飯 赤出汁 香の物
水物 葛切り お薄

鮎の塩焼きやてんぷらは食べたことがあるものの、鮎のお椀や炊き込みご飯、洗いはまったく想像ができません。いったいどんなお味なのかとても楽しみです。

虫籠に見立てた夏の演出

まずは前菜から。

虫籠が登場し「中には蛍やカエルがいますのでそーっと開けてください」という仲居さんの言葉。演出にワクワク感が増していきます。

蛍に見立てた黒豆や、カエルに見立てた空豆。鱧鮨やさつまいもの檸檬煮、ごま豆腐など目にも美味しい前菜たち。

焼き鮎の香りと夏いっぱいのお椀

川魚は独特の香りや味がするので苦手な人も多いことと思いますが、

鮎は「香魚」とも書きスイカやきゅうりのような爽やかな香り

なのだそう。

この後に登場する鮎も、いずれも本当に香り高いです。

ふっくらした柔らかさに舌がとろけそう。
冬瓜、はす芋に加え、柚子の香りと梅玉の酸味が口の中を駆け巡ります。爽やか。

鮎の洗いと骨せんべい

さて、本日のお造りとともに運ばれてきた鮎の洗い。嬉しいことに鮎の骨せんべいも添えられていました。

この日は久しぶりに日本酒を

友人と本当に楽しみにしていた鮎の特別懐石。この日は久しぶりにお酒をいただきます。

みのきちさんが元々京都のお店なので京のお酒を。日本料理に合う美濃吉専用の『美濃吉』と伏見の『玉乃光』です。骨せんべいがすすんでしまいます。

紫陽花で彩られて華やかな気分。

意外な歯ごたえ

初めての鮎の洗い、とても綺麗ですね(皮を剥くのが結構大変そう…)。

一口いただいてみると…これが意外な歯ごたえ!

あんなに柔らかそうな川魚なのに!?と驚きます。ほんのり甘みもあって非常に美味しかったです。
鮎の造りを食べられる機会というのは今後の人生でも殆どないと思うのでしっかりと味わいました。

こちらも旬の水茄子

今が旬です、とオススメいただいた水茄子も。予想よりも遥かに大振り!

そのままと、生姜と醤油をつけてといただきます。驚くことにヘタまでいただくことができました。先の方だからか一番味が沁みており、ナスのヘタの刺々しさもなく大変美味しかったです。

丸ごといただく鮎の美味しさ

焼く前に運ばれてきた長野県産天竜若鮎を見せていただきました。金色がかってとても綺麗です。

いよいよメインディッシュの鮎の塩焼き。料理長自ら壺を持って入ってこられました。

めちゃくちゃ笹で燻されている…!

楽しみすぎて仕方ありません…!

じゃじゃん!

小さめということでなんと二尾。たで酢とはじかみとともにいただきます。

頭から尻尾まですべてを美味しくいただける鮎。
絶妙な塩加減、骨や鰭のパリパリの香ばしさとほんのりと感じる苦み。「香魚」と呼ばれる香りの強さは笹にもまったく負けていません。

食べ終わりたくない、ずっと食べていたい美味しさでした。

鮎と夏を堪能する

賀茂茄子あん掛けに

鮎の木の芽揚げ。

内臓のほろ苦さもたまりません。

もうこの時点で何匹の鮎をいただいているのかわからなくなってきましたが、調理法が異なる鮎をこれでもかと味わい尽くします。なんという贅沢…!

薫り高い鮎ご飯

いよいよ鮎の炊き込みご飯が登場。

扉が開く前からとってもいい香りが漂ってきます…!

ふわっふわ!

鮎と御飯の相性の良さ。鮎の香りを纏ったお米と、ふっくらとした身の美味しさ。いくらでも食べられてしまいます。

もちろんおかわり。最後はお茶漬けにしてぺろりと平らげました。

つるんと美味しい葛切り

葛切りと季節の果物。

葛切りはお店で手作りなのだそうで、のどごしつるんと非常に美味しいです。

締めのお薄と。

おまけの紫陽花手ぬぐい

ひざ掛けの紫陽花手ぬぐいはそのままお土産として持ち帰ることができました。嬉しいです。

季節をたっぷりと感じてきました!
一年に一ヵ月だけの、本当に限られた時期だけの美味しさ。

最初から最後まで、想像を超える贅沢な鮎尽くし。

来年もまた伺いたいものです。

美濃吉

住所東京都新宿区西新宿2-6-1 新宿住友ビル2F
電話03-3346-2531
営業時間平日 午前11時30分~午後3時 / 午後5時~午後10時30分
土・日・祝 午前11時~午後10時
※年末年始を除き年中無休
アクセス都営地下鉄大江戸線「都庁前」駅A2出口 徒歩3分
JR線・京王線・小田急線「新宿」駅  徒歩10分
ホームページhttps://www.minokichi.co.jp/sumitomo/

※鮎特別懐石は6月~7月提供(ほぼ鮎オンリーは6月、7月は一部メニューが変更)。二日前まで要電話予約。

こんな人にオススメ!

友人、家族、同僚、カップル、接待

訪問 2023年3月ほか