今年の漢字は何だった?面白さを“再発見”、京都「漢字ミュージアム」

投稿日 2018-02-28 最終更新日 2021-05-07

京都で最も有名な伝統行事、祇園祭。
その祭礼を執り行う八坂神社は、京都観光をしたことのある人なら一度は訪れたことのある場所ではないだろうか。

2016年6月、その八坂神社すぐ近くの小学校跡地に『漢字ミュージアム』がオープンした。

京都で漢字といえば、毎年年末に清水寺で発表される「今年の漢字」を思い浮かべる人も多いだろう。
その「今年の漢字」を発表している日本漢字検定能力教会がオープンした日本初の漢字ミュージアムがこちらである。

「漢字博物館」という響きだと、ちょっと堅苦しいような、お勉強をしなくてはいけないような、そんな感覚を抱いてしまう人も多いかもしれない。

しかし、そんな心配は稀有!

ここはまさに、大人も子供も外国人も、漢字そのものを“見て触って遊んで楽しめる”施設なのである。

出迎えてくれるのは「今年の漢字」。TVでしか見たことがなかった「一字」の、その大きさや墨の勢いを実感する。

「今年の漢字」に使用される特別な筆。この大きさにも驚く。

ゲーム感覚で楽しめる数々の仕掛け

1階は「見て聴いて触れる」展示。

手をかざすと動き出す踊る亀甲文字テーブルや、歴史の教科書で習った金印の復元スタンプを押せるコーナー、万葉仮名で作る自分の名前、カタカナやひらがななどの「もと」となった漢字を押すことができる。

教科書で習った、なんとなく覚えているアレコレ。普段当たり前に使っている「日本語」が昔はどんな「漢字」だったのか。金印がどんな大きさなのか。
実際に押してみたり触ってみたりすることで単に教科書の中のものだけではない感覚が自分の中に入ってくるのが楽しい。

2階は「遊び楽しみ学べる」。ゲーム感覚で一人でも大人数でも楽しめるコーナーがたくさんだ。

周てくるお寿司のお皿を取って、魚の名前を答える「漢字回転すし」や…

部首との組み合わせで鳥の名前を作るコーナーも。パズルのような面白さがある。

「くらしの道具の漢字たち」では引き出しを開けると日常生活のアイテムたちが可愛らしい姿で登場。今はひらがなで表記されることが多くなってしまった道具たちの「えっ、この道具はこんな漢字を描くんだ!」という発見がある。

他にもその地名でしか使われていない「方言漢字」など、同じ日本でも「こんな漢字が?!」と驚きがある。例えば京都でよく見られる「洛」。という漢字、言われてみれば確かに他の地域では使われていない漢字だ。

その漢字のルーツや意外な成り立ち、部首の意味と部首との組み合わせ。自分の体を使って漢字を作ってみたり。タッチパネルを使ったりクイズに答えたり体全体を使って漢字を作ってみたり。
思わず触りたくなってしまう仕掛けで、楽しみながら「なるほど!」が味わえるミュージアムだ。

ちなみに各コーナーの漢字デザインも大変美しく面白いので、デザイナーの方やフォントマニアの方にも絶賛オススメである。

またショップ横には祇園祭に関するギャラリーもあり、実物大の鉾でその大きさや迫力を感じたり、映像で各鉾の紹介を見て知ることができる。

鉾は2階に吹き抜けていている。鉾を上から、しかもこんなに近くで眺める経験はなかなかできないものだろう。

京都の新名所、漢字ミュージアム。
普段当たり前に使っている漢字の面白さを、思い切り楽しみながら再確認してみて欲しい。

漢検 漢字博物館・図書館

住所〒605-0074
京都府京都市東山区祇園町南側551番地 (京都市元弥栄中学校跡地)
開館時間 9:30〜17:00※入館は16:30まで
休館月曜日(休館日が祝日の場合は、翌平日に振替)/年末年始
ホームページhttp://www.kanjimuseum.kyoto/