歳時を楽しむ。~2月3日節分編・京都・日向大神宮~

投稿日 2019-01-27 最終更新日 2022-02-05

節分というと家で豆まきをしたり年の数豆を食べたりしますね。
関東では毎年成田山新勝寺で芸能人の方々やお相撲さんによる大規模な節分会が行われ、その様子がTVなどで報道されます。住宅事情などで家で豆まきをすることも少なくなってきた昨今、盛大な豆まきの様子は「日本」を感じられて楽しいものでもあります。

私がなぜ京都が好きなのか?

その理由の一つが、「京都で暮らす人々が季節の移り変わりをとても大切にしている」から。それを、移動できる範囲であちこちで行われているということもとても魅力的に思います。
また、京都に訪れた際には「その時、その日にしか経験できないことをする」というのも最近の旅の目的の一つ。

一日のうちに各所で行事が行われますが、その時間も重要。この日は到着が夕方近かったため京都駅から移動に時間のかからない行きやすい場所で、まだ行事が始まっていないところへ行くことに決めました。

そこは、京の伊勢と呼ばれる日向大神宮(ひむかいだいじんぐう)。
場所は東西線の蹴上駅。そこから南禅寺方面と逆に向かうとすぐに鳥居が現れます。

ここから坂道を上っていきます。
山に向かう道で、途中は昔旅館だったのかなという建物がぽつぽつと。基本的には住宅地で、人通りはあまりありません。
少し不安になりながら到着すると、ちょうど神事が始まったところ。人も集まっておりました。空気が急に変わった感じがありました。

パチパチと火の粉が舞い上がる音。献火神事です。古いお札を焚き上げ、神主さんの祈祷が凛と響く。

火って、どうしてこんなに人の心を落ち着かせるのでしょうか。
夕暮れ時、山に囲まれた静かな場所で、神主さんの声と火の音だけが響きます。そこだけ切り取られたような、神様を感じるような、本当に静かな時間でした。

厄除豆もいただきました

神事が一通り終わり、境内を散策。

日向大神宮は天照大御神(アマテラスオオミカミ)を御祭神とする神宮。
内宮、外宮が奉斉され「京の伊勢」として名高く、昔は東海道を往来する旅人たちの道中の安全祈願や伊勢神宮への代参として大勢の参拝があったそう(公式サイト参照)。

なるほど、「京の伊勢」である所以がわかります。

境内には天の岩戸もあり、くぐり抜けると罪穢れが払い清められ、福を招くといわれているそうです。
「ぬけ参り」と呼ばれるくぐり抜けは、一年のはじめとする立春の前日、節分の日にそれまでの厄を祓い落とすためのお参りとのこと。

厄をしっかりと祓い、新しい一年を始めてみてはいかがでしょうか。

http://www12.plala.or.jp/himukai/

また、2月3日当日は市内多くの神社仏閣で節分会(せつぶんえ)や節分祭が行われます。

旧暦の一年の始まりである“節分”。
新しい年の始まり、この日しか体験できない行事に出掛けてみてはいかがでしょうか。

https://ja.kyoto.travel/

———————————————————————-

そうそう、関東ではお馴染み、「そうだ 京都、行こう。」のCMが新しくなりましたね!長年ナレーションを務められていた長塚京三さんから柄本佑さんへ。

「まだ知らない京都がいいな」

そんな言葉で始まる新CM。

大好きで通っている京都ですが、まだまだ知らない魅力がいっぱいあるであろう場所。

今年もあちこち行きながら、その魅力を綴っていけたらと思います。
どうぞよろしくお願いいたします。