投稿日 2024-05-19 最終更新日 2024-05-20
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伝説の漫画たちの住んだ家、トキワ荘
手塚治虫先生、石ノ森章太郎先生、藤子・F・不二雄先生、藤子不二雄A先生などなど、昭和を代表する伝説の漫画家たちを輩出したアパート「トキワ荘」。
1982年に解体後、豊島区や商店街がプロジェクトを発足し、2020年に「トキワ荘マンガミュージアム」としてかつての姿を再現した施設が誕生しました。
訪問した日は前数日間が夏のような暑さだった…とは思えないほどに肌寒さを感じる大雨。
しかしトキワ荘の前に割く桜の木にまだ少しだけ花が残っており、春の名残も感じました。
青春の想い出と個性溢れる部屋
昭和の建物によくある、2階に上がる急階段。スタッフさん曰く「当時と同じように」階段が軋み音が鳴るそう。
漫画家の先生方が住んだのは2階。雑多な台所やトイレ、先生方の部屋が再現されています。
朝ドラで見たことがあるような昭和のアパートの台所の風景。銭湯に行けなかったとある先生がお湯をはってお風呂がわりにしていたという伝説の?「流し」も奥に見えます。
復元されたトキワ荘は公園の中にあるので広いですが、実際のトキワ荘は住宅密集地の中だったということで窓から見えるイラスト景色が当時の様子に近いのかもしれません。
ほぼ同じ規格の各部屋が、雑多だったり整頓されていたり部屋の外まで物があふれていたり。先生方の個性が出て面白かったです。
「上京したばかりの頃に住んでいた部屋がまさにこのくらいだったね~」と友人たちと大盛り上がり。
上京したばかりの先生方も「ここから頑張るぞ!」という想いでスタートされたんだろうなあ~と、まだ漫画家ではなかった若き彼らの想いを想像します。
また豊島区の歴史パネルもあり、このあたりは戦後どんどん人の流入があって大変賑やかだった様子。西武線や池袋含めた歴史の変遷も比べて楽しむことができました。
懐かしさも同時に感じるようなそんな空間でした。
特別展『鈴木伸一のアニメーションづくりは楽しい!』展
そして1階は特別展示室。訪問したときに開催されていたのは『鈴木伸一のアニメーションづくりは楽しい!』展です。
鈴木伸一さんは漫画家からアニメーションの世界へ転身された方。
「ラーメン大好き小池さん」のモデルとなった方、といえば「ああ!」となる方がとっても多いのではないでしょうか。
1933年生まれの鈴木さん、杉並アニメーションミュージアムの館長であり、御年91歳になる今も『G9+1』というアニメーション創作集団として活動されていらっしゃるとのこと。
この『G9+1』は「世界最高齢?のアニメーション創作グループ」がキャッチフレーズなのだとか。
『G9+1』のアニメーション映像、これがまあ凄いのなんの!それぞれのクリエイターの方が制作したショートアニメが1つの音楽にのって1本の作品に。
思わずじっくり見入ってしまう程、おしゃれで素敵でスタイリッシュで懐かしくてあたたかい。
70年にわたりアニメ制作を続けて来たという鈴木さんや、ベテランアニメーターの方々の尽きない情熱に脱帽です。
アニメ制作のTipsや過去制作物も。デザイン会社に勤務経験があるということで、海外のテイストが入ったような洗練されたオシャレさがありました。
長きに渡り活動されている方々の凄さを、展示物や作品から肌で感じる凄い特別展でした。なにかを「作る」側にいる人には絶対にオススメしたい特別展です。
※特別展『鈴木伸一のアニメーションづくりは楽しい!』展は2024年7月15日まで
https://tokiwasomm.jp/exhibition/2024/03/post-54.php
トキワ荘マンガミュージアム
住所 | 東京都豊島区南長崎3-9-22 |
電話 | 0241-22-2004 |
営業時間 | 10:00~18:00(最終入館17:30) |
休館日 | 月曜日(祝日の場合は翌火曜日休み)、年末年始、展示替え時期 ※ホームページにて開館カレンダーを確認してください |
アクセス | 都営大江戸線「落合南長崎駅」A2出口 徒歩5分 西武池袋線「東長崎駅」南口 徒歩10分 西武池袋線「椎名町駅」南口 徒歩15分 都営バス「池65」「白61」系統 / 関東バス「池11」「宿02」系統 バス停「南長崎二丁目」下車 徒歩約5分 |
ホームページ | https://tokiwasomm.jp/ |
その他 | 原則ホームページから事前予約 |
漫画家たちの関係性を聞く
トキワ荘まんが通りには他にも様々な施設があり、いつ来てもゆっくりと楽しめる仕掛けがあります。
マンガミュージアムに訪れたら必ず立ち寄っていただきたいのが「豊島区トキワ荘通りお休み処」。
こちらはトキワ荘マンガミュージアムに先行してお米屋を改造して作られた場所で、テラさんこと寺田ヒロオさんの部屋が再現されていたり、トキワ荘マンガミュージアムを訪れた漫画家の方々の色紙を拝見出来たりします。
スタッフの方が凄く親切に熱量をもって、トキワ荘のことや漫画家の先生同士の絆、当時の周辺の様子などたくさん説明をしてくださいました。
例えば、手塚先生が上京したばかりの藤子不二雄両先生にお金を貸し、両先生が売れた後は返済を受け取らなかったためそのお金は次の代へ次の代へ…と伝わっていたということ。
寺田先生はトキワ荘の中心におり皆のリーダー的存在で、あそこに住んだ先生方はテラさんに深い恩義があり、トキワ荘マンガミュージアムでの最初の展示は皆が「テラさんが最初である」と言ったということ。
トキワ荘唯一の女性漫画家だった水野先生は、男女関係なく皆とは仲間であり同志だという想いが強いということ。
目標を同じくする仲間って、性別を越えて分かり合える分かち合えるものがありますよね。
後輩を守り助け合っていたレジェンド漫画家たちの「絆」「義」も強く感じました。
豊島区トキワ荘通りお休み処
住所 | 東京都豊島区南長崎2丁目3−2 |
営業時間 | 10:00~18:00 |
休館日 | 火曜日(祝日の場合は翌平日休み) |
ホームページ | https://www.toshima-mirai.jp/tokiwaso/ |
「ンマーイ!」漫画家が愛した『松葉』のラーメン
『まんが道』によく登場する、トキワ荘の漫画家たちが良く食べた「松葉」のラーメン。
レジェンドたちが味わったラーメン、やはり一度は食べて見たい。
ということで夕方開店を狙い訪問。
こじんまりとした町中華で、現在は三代目にあたる女性店主お一人で回されています。
注文を待つ間これまた『まんが道』に登場する飲み物「チューダー」で乾杯。焼酎をサイダーで割った飲み物「チューダー」は甘くて飲みやすく、まったく「お酒」という感覚がしない危険さがあります(笑)。
いい香りとともに運ばれてきたラーメン。
いわゆる最近の流行のラーメンとは違う、昔懐かし「中華そば」。
雨で冷えた体に染み渡る、優しくじんわりと広がっていく醤油スープ。思わず
ンマーイ!
そう声に出して言ってしまいそうになる美味しさです。
ちなみに松葉さんはかつてのトキワ荘の場所からは本当に目と鼻の先。今の場所でも近いとは思いますが、これは出前しやすいなあ…しょっちゅう頼んでしまうなあ…などと思ったのでした(笑)。
そして焼きそばも。
この焼きそば、ラーメンの後でも別腹で全然ペロッといける!
というくらい甘酸っぱいソースと絡んでとっても美味しかったです!お腹に余裕があればぜひにオススメ。
松葉
住所 | 東京都豊島区南長崎3丁目4−11 |
営業時間 | 昼11:00~15:00 / 夜17:00~20:00 |
定休日 | 月曜日 |
食べログページ | https://tabelog.com/tokyo/A1321/A132101/13025247/ |
まちなかの”トキワ荘”
南長崎商店街やエリアには漫画家ゆかりの場所がたくさん。
かつてトキワ荘が経っていた跡地にはモニュメントが設置されています。
今は実際にあった場所とは少し離れている「トキワ荘」ですが、跡地の立地周辺にあったお店や施設を考えると大変賑やかで娯楽もたくさん楽しめたことが想像できます。
この地域の方々が大事にされてきた子育て地蔵尊は商売繁盛の御利益も。
今も現役のアパートで、漫画家志望者しか入れないという現代のリアルトキワ荘「紫雲荘」を見たり。ちなみに紫雲荘は豊島区から家賃補助がでるそうです。未来の漫画家へのバックアップ、凄い。
西武線の東長崎駅前交番はトキワ荘の形をしています。
そしてまあまあの雨ではありましたが、今日はこれを見なきゃでしょう!ということで少し離れた場所にある小池さんのパネルを見に行ったり。
東長崎駅にはレオとライヤの像も。
まだまだ設置中のパネルもあるそうで、トキワ荘マンガミュージアムを中心に何度訪れても楽しめそうな仕掛けがいっぱい!
とにかく大充実だった、漫画の聖地・トキワ荘周辺でした!
こんな人にオススメ!
漫画ファン、漫画家を目指す方々、昭和レトロファン
訪問日 記事の訪問日は2024年4月24日